令和 3年 第3回定例会(6月)令和3年第3回
岩国市議会定例会会議録(第5号)令和3年6月18日(金曜日
)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第5号)令和3年6月18日(金曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│ 件 名
│備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1
│会議録署名議員の指名
│ │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2
│一般質問 │ │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 3│議案第81号 令和3年度岩国市
一般会計補正予算(第3号)
│ │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 4│請願第 2号 少
人数学級の実現を国に求める意見書を提出することについて│ │└───┴───────────────────────────────────┴───┘
――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり
――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(29人) 1番 河 合 伸 治 君 11番 姫 野 敦 子 君 22番 石 本 崇 君 2番 越 澤 二 代 君 12番 丸 茂 郁 生 君 23番 石 原 真 君 3番 桑 田 勝 弘 君 13番 小 川 安 士 君 24番 山 本 辰 哉 君 4番 中 村 豊 君 14番 長 岡 辰 久 君 25番 桑 原 敏 幸 君 5番 田 村 博 美 君 15番 大 西 明 子 君 26番 貴 船 斉 君 6番 中 村 雅 一 君 16番 片 岡 勝 則 君 27番 藤 重 建 治 君 7番 矢 野 匡 亮 君 18番 松 川 卓 司 君 28番 松 本 久 次 君 8番 武 田 伊佐雄 君 19番 藤 本 泰 也 君 29番 植 野 正 則 君 9番 重 岡 邦 昭 君 20番 瀬 村 尚 央 君 30番 片 山 原 司 君10番 広 中 英 明 君 21番 細 見 正 行 君 ――
――――――――――――――――――――――――――――欠席議員(1人)17番 広 中 信 夫 君 説明のため出席した者 市長 福 田 良 彦 君 副市長 杉 岡 匡 君 教育長 守 山 敏 晴 君
水道事業管理者 辻 孝 弘 君 審議監 村 田 光 洋 君
総務部長 石 橋 誠 君
危機管理監 桝 原 裕 司 君
総合政策部長 國 廣 光 秋 君
基地政策担当部長 山 中 法 光 君
市民生活部長 小 玉 陽 造 君
文化スポーツ担当部長 竹 原 直 美 君
環境部長 藤 村 篤 士 君
健康福祉部長 児 玉 堅 二 君
保健担当部長 木 原 眞 弓 君
地域医療担当部長 山 田 真 也 君
産業振興部長 加 納 芳 史 君
農林水産担当部長 沖 田 通 浩 君
建設部長 内 坂 武 彦 君
都市開発部長 山 中 文 寿 君
建築政策担当部長 坂 上 政 行 君
由宇総合支所長 塩 中 京 子 君
周東総合支所長 中 原 健 登 君
錦総合支所長 沖 晋 也 君
美和総合支所長 浜 川 智 也 君
会計管理者 村 上 さ ゆ り 君
教育次長 三 浦 成 寿 君
監査委員事務局長 村 重 政 司 君
農業委員会事務局長 中 西 亮 二 君
水道局次長 竹 嶋 勇 君
消防担当部長 冨 岡 英 文 君――
――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員
議会事務局長 鈴川芳智 庶務課長 岡田淳
議事課長 林孝造
議事調査班長 河村佳之 書記
佐伯浩則 書記
福永啓太郎 書記
中西祐一郎――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議
○議長(
藤本泰也君) 所定の
出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の
議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。 なお、17番
広中信夫議員から本日の会議を欠席する旨の届出がありましたので、御報告いたします。
――――――――――――――――――――――――――――――
△日程第1
会議録署名議員の指名
○議長(
藤本泰也君) 日程第1
会議録署名議員の指名をいたします。 本日の
会議録署名議員は、
会議規則第81条の規定により、24番 山本辰哉君、25番 桑原敏幸君、26番 貴船 斉君を指名いたします。
――――――――――――――――――――――――――――――
△日程第1
一般質問
○議長(
藤本泰也君) 日程第2 昨日に引き続き、
一般質問を続行いたします。 9番
重岡邦昭君。
◆9番(
重岡邦昭君) 9番
市民クラブ・草の根、
重岡邦昭、壇上からの
一般質問をいたします。 1点目、
改正瀬戸内海環境保全特別措置法が成立いたしました。 今、海水の温暖化、窒素やリンなどの
栄養塩類濃度の低下など、様々な原因で海産物全体の漁獲量が減っております。なりわいは厳しく、後継者もおらず、年々
漁業組合員数も減少し、新規の
漁業従事者に活路を見いだす取組も、うまくいっていないのが現状です。 現状を打開するためには、
瀬戸内海を「痩せた海」から「豊かな海によみがえらせる」、そして「漁業はもうかる」、このことを次世代を担う若者に示すことが重要な鍵となってまいります。 国の無策によって若者の
漁業離れが加速しており、一部に、漁港の
改修事業などは先細る漁業への過大投資ではないかという指摘もあります。市民の食生活に地元産の魚介類を供給し続ける
漁業従事者の取組が、報われていないことを大変残念に思っております。 市長はこの実態を把握し、原因が行政の取組の甘さにあると認識して、その上で
漁業従事者に寄り添った様々な施策を講じ、漁獲量を高めていく、このことしか投資に対する市民の理解を得ることはできないのではないでしょうか。 ついては、
改正瀬戸内海環境保全特別措置法が成立した今、岩国市の「痩せた海」を「豊かな海によみがえらせる」、そして「漁業はもうかる」を実現する。そのための対策について質問をいたします。 1つ目に、岩国市
水産漁業振興基本計画(2019~2022年度)について、取組と成果と課題についてお聞きいたします。 2つ目、
海洋プラスチックを含む
漂流ごみ除去と
発生抑制対策について。 3つ目、
新規漁業就業者に対する4か年の取組と課題と実績について。 4つ目に、海底にとどまるごみと砂の撤去について、計4点、お聞きいたします。 次に、
在日米軍再編の
極東最大級となった
岩国米軍基地に対する市民の心構えについて質問いたします。
艦載機移駐後、
米軍岩国基地を中心に激しい軍事訓練が展開され、
騒音被害はますます深刻なものとなっております。しかしながら、市民の安心・安全を守るための対策は非常に遅れております。 一方、北朝鮮ミサイル問題、
尖閣諸島の領有権問題、今では中国による
台湾侵攻が6年以内に起きると米軍の
情報分析もあり、防衛省では
台湾有事の法運用が検討されていると聞いております。 有事での自衛隊の役割には、
重要影響事態、
存立危機事態、
武力攻撃事態があり、自衛隊員の皆さんは覚悟を持って、日夜、極東の安全と国民を守るため、激務に当たっておられます。 しかし、
一般市民は有事における
非常事態に国のために何ができるのか、家族を守るために何ができるのか、そのすべが分からなく心構えができないのが実態となっております。 国による、イージス・アショアによる
迎撃システムや、
Jアラートなどによって、身を守る心構えは持つことはできるものの、市長の
基地機能の強化との
見返り交渉では、攻撃のリスクは高まるばかりで、市民の不安を根本的に解消することはできません。 ついては、目の前にある問題と、これからの問題とに分けて質問をしてみたいと思います。 1つ目、3年以内の
台湾有事に対する市民の心構えについて。 2つ目、
在日米軍再編交付金延長ではなく
基地縮小による市民の安心・
安全対策について。 3つ目、昭和町藤生線を国道に昇格させることと基地5ヘクタールの
共同使用に係る協定について。 4つ目、事務所・店舗等への
防音工事の拡大と併せて、由宇町有家・
神東地域の
防音工事区域の編入について、計4点、市長の見解をお開きいたします。 以上で、壇上からの
一般質問を終わります。
◎市長(福田良彦君) 皆さん、おはようございます。それでは、
重岡議員御質問の第2点目の
在日米軍再編に係る諸問題についての(1)
極東最大級となった
米軍岩国基地に対する市民の心構えについてお答えいたします。 まず、
重岡議員は3年以内の
台湾有事と表現されておられますが、
米国インド太平洋軍司令官は中国による
台湾侵攻を6年以内と明言をしていると、我々は承知しております。 さきに開かれた
G7サミットでは、法の視野に基づく自由で開かれた
インド太平洋の維持の重要性が表明され、
台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の
平和的解決を促す宣言が採択されました。また、中国が
海洋進出を進める東シナ海及び南シナ海での状況に対して、深刻な懸念を示すとともに、現状を変更し、緊張を高めるいかなる一方的な試みにも強く反対するという文言が盛り込まれました。 このような現下の情勢ではありますが、我が国に対する外部からの
武力攻撃だけではなく、テロなどにより引き起こされる事態に対しましては、国民の生命、身体及び財産を保護するため、平成16年6月にいわゆる
国民保護法が施行されております。 本市においても、住民の安全を確保するため、各攻撃に応じて住民の避難誘導などを定めた岩国市
国民保護計画を作成して、ホームページに掲載しております。また、情報は国から
Jアラートにより伝達され、同時に
市民メールや
市民ニュースアプリへの転送を行う仕組みとしており、緊急時に住民への
情報伝達を迅速・確実に行えるよう備えているところであります。 有事の際には、国において即座に
対策本部が設置され、早急に必要な対応がなされることになっており、市においても国の
対策本部の指示に従い、その役割分担の中で住民の安全の確保を行うこととしております。 現在、我が国を取り巻く
安全保障環境は、
台湾有事を想定した場合だけでなく、北朝鮮による
ミサイル発射や中国による
尖閣諸島への執拗な領海侵入など、近隣諸国との緊張が続いております。言うまでもなく、そうした状況下において、国民の生命・財産を守ることは国の責務でありますが、市民の安全を確保し市民の命を守ることは、自治体の長としても非常に重要な責務と考えております。 次に、
在日米軍再編交付金延長でなく
基地縮小によって市民の安心・
安全対策を検討することについてでございますが、
再編交付金は
米軍再編を円滑かつ確実に実施するため、平成19年度から交付され、
再編関連地域における
住民生活の利便性の向上や、産業の振興に重要な役割を果たしております。 こうした中、本市においては
艦載機移駐完了後においても、CQなどの米軍の新たな運用や、米軍人の増加による新たな
財政需要などの負担が今後も続いていくこととなりますが、
再編交付金は令和3年度で交付が終了し、
再編実施後の実情に対応したものとなっておりません。 そのため、
再編交付金の
交付終了後も、安心・
安全対策の推進はもとより、さらなる
地域振興を図ることができるよう、基地による負担や我が国の平和と安全への協力・貢献に見合う特段の措置が不可欠であることから、
再編交付金の
交付終了後の
財政措置について要望しているところであります。 これまでも、私自身が直接あらゆる機会を捉えて国に要望しており、本年4月に上京した際にも、
岸防衛大臣に対し、来年度の予算
編成過程の中で、政府として早期に決定していただくよう要望し、大臣からは「地元の思いを受け止め、前向きに検討する」旨の回答をいただいております。 また、基地を縮小することによって市民の安心・
安全対策を検討すべきではないかとの議員のお話がございましたが、本市は
米軍基地が所在する自治体として、これまで国の
安全保障政策を尊重し、基地の安定的な運用に協力してきました。 基地に対する自治体の姿勢にかかわらず、その運用に当たり、市民が安心して安全に暮らせる環境を確保されることは、設置者である国においてしっかりとなされるべきと考えており、これまでも市民が安心して安全に暮らせる環境を確保されるよう、国や米軍に対し細心かつ最大限の配慮を求めてきたところであります。 本市としましては、引き続き国や米軍に対して、市民が安心して安全に暮らせる環境が確保されるよう求めてまいりたいと考えております。 次に、昭和町藤生線の国道への昇格と基地5ヘクタールの
共同使用に係る協定についてでございますが、昭和町藤生線は、昭和町三丁目から
川下地区、
尾津地区を通り、藤生町一丁目までの延長7,570メートルの
都市計画道路でございます。
基地正門前から
門前川左岸までの約400メートル区間のうち、防衛省の
補助事業により、これまでに
基地正門から南側の約50メートル区間の
用地買収等を実施しております。今年度は、
機能回復が必要となる市道の設計と基地内の測量等を行う予定でありますが、基地内の測量の立入りについては、現在、防衛省を窓口として協議・調整を進めており、合意が得られ次第測量に入ることができるよう、準備を整えているところであります。 約5ヘクタールの用地の状況につきましては、この用地にあった
ペリースクールの移転後、
学校関連の建物の解体と
アスファルト舗装の撤去が行われ、更地となり、昨年2月に整地が完了しております。この用地については、早期に、かつ市民が有効に活用できることが重要と考えていることから、返還という選択肢だけでなく、
共同使用も視野に入れ、現在、国を窓口として協議・調整を行っております。 市としましては、昭和町藤生線について、今後も引き続き国と連携し、協議を進めてまいりたいと考えております。 なお、議員御提案の
基地正門から藤生町一丁目までの区間を国道に昇格することにつきましては、道路法第5条における国道の意義には適合しないため、大変難しいと考えております。 最後に、
住宅防音工事対象区域の事務所・店舗等への
防音工事の拡大と併せ由宇町有家・
神東地域の
早期防音工事区域編入についてでございますが、まず、
防音工事の
補助対象施設を事務所・店舗等に拡大することにつきましては、現在、防衛省と
事務レベルでの協議を重ねており、国においても「いかなる事業や建物を対象とするべきか、またいかなる
騒音対策が適切か」について検討している状況と聞いており、今年度中に国において
実態調査が行われる予定であると承知しております。 現在、具体的な
制度設計に向けた実態の確認が行われるよう、国との協議を継続しており、
早期実現に向け取り組んでいるところであります。議員御指摘の由宇町有家・
神東地域は、平成29年1月に国が作成した、
空母艦載機の移駐に係る
航空機騒音予測コンターに基づく75W以上の区域に含まれております。 この
コンターは客観的・科学的な手法により作成されているものでありますが、あくまでも予測であり、今後、
住宅防音工事の
対象区域として正式に指定し、新たに告示を行うためには、決められた手続にのっとって、市内各所での騒音の実測等による
騒音度調査を実施することが前提となります。 しかしながら、
騒音度調査が実施された場合、正式に指定した
対象区域と
予測コンターに差が生ずることが想定されます。こうしたことから、第一種区域の見直しの告示後、
予測コンターとどの程度の差が生じ、由宇町有家・
神東地域が含まれることになるのかは、現段階で申し上げることはできません。 一方で、市としましては国に対し、
防音工事における
対象施設の拡大などの新たな
騒音対策に取り組むとともに、第一種区域の見直しの際には、地域の実情がしっかりと反映されるべきとの観点から、年間のW値だけではなく、
空母艦載機滞在時の状況に対応した見直しを行うよう要望しているところでございます。 なお、見直しの時期については、現時点で国から具体的な時期については検討中であると伺っております。 いずれにしましても、市としましては、引き続き国との協議を継続し、
住宅防音工事の
対象拡充について、重点的に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
◎
農林水産担当部長(
沖田通浩君) 第1点目の改正「
瀬戸内海環境保全特別措置法」についての(1)「痩せる海」をよみがえらせる対策についてお答えいたします。 はじめに、ア、岩国市
水産業振興基本計画(2019~2022年度)についてですが、本市では
水産振興に向けて、岩国市
総合計画の
施策目標である「
農林水産業の経営が安定し、担い手が増えている」及び「
自然環境が適正に管理されている」を達成できるよう、総合的かつ計画的な施策を展開しております。 そして
施策目標を基に、
基本計画の中で、「水産業を支える
担い手づくり」「活力ある
漁村づくり」「
自然環境の保全」を3つの柱として掲げ、岩国市
総合計画の
後期基本計画との整合性を図り、令和元年度から令和4年度の4か年の計画として策定しております。 策定された具体的な事業としまして、
長期漁業技術研修受講に係る研修生及び
指導漁家支援を実施する
新規漁業就業者定着促進事業、
キジハタ・クルマエビ・アサリ等の稚魚や稚貝を放流する
稚魚等放流事業、
漁業者等が行う藻場の再生やアサリの回復等の
地域活動を支援する
水産多面的機能発揮事業、
離島漁業集落が行う
漁業生産活動を支援する
離島漁業再生支援事業、
水産資源の増大を図るための増殖礁の
設置事業、放流した魚や貝を捕食するカワウやエイの
被害防除事業、老朽化した漁港・
港湾施設の
改修事業、また
国土保全に資する護岸等の
海岸保全施設整備事業等に取り組んでおります。 次に、事業の成果といたしまして主な項目について御説明いたします。 最初に水産業を支える
担い手づくりとしまして、
新規漁業就業者の確保・育成の指標としております、
新規就業者数は
年間目標値1人に対して令和元年度も令和2年度も年間ゼロ人となっております。 次に、活力ある
漁村づくりとしまして、地先、沿岸・沖合における
資源管理の推進の指標としております、海面の
種苗放流数は、目標値240万尾に対して令和元年度は156万尾、令和2年度は178万尾、藻場・干潟の保全及びアサリの
資源回復に取り組む
協同漁業団体数は、目標値3団体に対しまして、令和元年度、令和2年度とも3団体となっております。 内水面における
資源管理の推進の指標としております鮎の
種苗放流数は、目標値の125万尾に対して令和元年度、令和2年度とも120万尾の放流、
漁場環境の整備の指標としております
魚礁設置点数は、目標値の89地点に対しまして令和元年度、2年度とも86地点であります。 最後に、
自然環境の保全といたしまして、指標としております
海岸清掃の
実施延長は目標値の11.5キロメートルに対して、令和元年度も令和2年度も11キロメートル、
海底清掃は2年に1度実施しておりますので目標値の5.5平方キロメートルに対し、令和2年度に4.95平方キロメートルを実施しています。 昨年度取り組みました事業費といたしまして、
水産資源の管理など
ソフト事業は全体で約3,600万円、
漁業環境の整備などの
ハード事業は全体で約3億4,000万円の支出を行っております。 指標の
達成状況につきましては、令和4年度には
魚礁設置点数など目標を達成できる項目もありますが、
新規就業者数など達成の厳しい項目もございます。しかし、水産業は岩国市にとって欠かせない重要な産業であり、市といたしましては
漁業協同組合などと連携を図り、事業に取り組むことにより、目標の達成を目指し、これからも水産業の振興を図ってまいりたいと考えております。 次に、イ、
海洋プラスチックを含む
漂流ごみ除去と
発生抑制対策についてですが、このたび漁業への悪影響が出ている問題への対策が盛り込まれている
改正瀬戸内海環境保全特別措置法が、6月3日の衆議院本会議で可決、成立しました。 その
改正措置法ですが、
瀬戸内海における
生物多様性・
水産資源の持続的な利用の確保のため、
水産資源への
栄養塩類不足解消を目的とした
栄養塩類管理制度の導入や、
海洋プラスチックを含む
漂流ごみなどの除去・
発生抑制などの対策を国と
地方公共団体の責務として連携して行うことが規定されました。
瀬戸内海においては、
漂流ごみの大半が沿岸域からの排出とされており、沿岸域での対策が進めば状況が大幅に改善する可能性があるため、
海洋プラスチックごみ等の除去・
発生抑制等の対策を行うことで、
海洋環境の回復に貢献できると考えられております。 本市では、今までもごみの除去として、山口県・広島県・大竹市・
漁業協同組合・企業等と協力し発足しました
岩国大竹清港会に、岩国港とその周辺の漂流物、汚物等の
回収除去の
清掃作業を委託したり、
漁協関係者などと連携して、河口・港内・海浜等に堆積した
プラスチック、空き缶、
ビニール袋、流廃木などを回収・処分する
海浜清掃などを行ったり、また
発生抑制対策につきましては、ごみの
ポイ捨て防止や
不法投棄撲滅、
プラスチックの適正な利用や廃棄についての啓発に取り組んでいるところでございます。 市といたしましては、
漂流ごみ等は
海洋環境に影響を及ぼすとともに、船舶の航行の障害や
漁場環境の支障となるため、今後も
ごみ除去等の事業を継続実施していき、
啓発活動によりごみの
発生抑制に取り組み、
海洋環境の回復に貢献していきたいと考えています。 続きまして、ウ、
新規漁業就業者に対する4か年の取組についてですが、農林水産省では平成21年度に漁業の担い手の確保・育成に関する意識・意向としてアンケートを実施しております。その中に「漁業の担い手が不足している原因は何か」という問いがあります。その上位3位は、「もうからない、天候や魚価の変動に影響を受けやすく収入が不安定」「きつい、危険、汚いなど
労働環境が悪い」「高齢化によって漁村の活力が低下している」との回答でした。 一方で、「漁業に興味を持ってもらい、担い手を確保・育成するための有効な取組は何か」という問いに対しては、「
漁業収入や魚価を安定させる取組」「資金面での支援」「
労働環境の改善」が、回答として上位3位に挙げられていました。 本市では新規就業者を確保するため、新たに就業を開始するときに必要な経費を助成する
新規漁業就業者育成推進事業や、経営安定や地域定着のための給付金を支給する経営自立化支援事業などの施策に取り組んでおります。実績といたしまして平成23年度に1人、
新規漁業就業者育成推進事業に申請されておりますが、それ以降は希望者がいないという現状です。 市といたしましては、今まで行っていた支援事業を継続していくとともに、
漁業協同組合と連携して、海の魅力を発信していくことにより、新規就業者の確保に努めてまいりたいと考えています。 最後に、エ、海底にとどまるごみと砂の撤去についてですが、海底にとどまるごみは、水産動植物の生育や繁殖の場の損失、網等の漁具の損耗を招いており、操業効率低下の大きな要因となっています。本市では、藻場の荒廃や操業効率の低下などの漁場の悪化を防止するため、2年に1度、
漁業協同組合に委託して、漁船による底引き網等によりごみ等を収集し処分する
漁場環境保全創造事業を実施しているところでございます。 次に、砂の撤去についてですが、漁業活動の基盤となります港や停泊地、船舶が往来するための航路、人々が利用する海岸や砂浜などには様々な自然条件が重なり、時として砂が堆積することがあります。 堆積した土砂が多くなりますと海底の地形が高くなり、場合によっては様々な障害が起こることがあります。例えば、漁業活動では、港や船の航路に土砂が堆積すると、航行の際、船の底やプロペラが接触する、あるいは座礁するということも発生し、危険も伴い、操業に支障を来すこともあります。 漁場では、魚礁が埋没することにより、その機能が次第に失われていくということもございます。また海岸や砂浜などは、人々の憩いの場として様々な用途に利用される場であり、過度な凹凸などの地形変化は、安心・安全な利用を損なうこともございます。 これらについては、これまでも職員による日常点検のほか、港を利用される漁業関係者や海浜を利用される住民の方々からの情報により、安心・安全な施設の維持を行うため、砂を撤去する工事により整備に努めてまいりました。 これからも、ごみや砂の撤去による
漁場環境の整備や、港・海岸・砂浜を利用される方々にとって、安心・安全が図れる施設の維持に努めてまいりたいと考えています。 市といたしましては、
基本計画を軸として、稚魚の放流などの
水産資源の管理、漁港・港湾・海岸の改修・修繕工事による施設の整備、また
漂流ごみや海底ごみの撤去による
漁業環境の整備等水産業の振興に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆9番(
重岡邦昭君) それでは、まず
改正瀬戸内海環境保全特別措置法について再質問いたします。 まず、今回の改正法では、海底の海砂の改善対策については踏み込んではおりません。民間業者による、
瀬戸内海の海砂採取ができなくなり40年近くたっているというふうに思っております。 海底には川から流れ出した砂や、プラ類を含むごみが堆積し、ヘドロも混じっており、海砂の持つ浄化機能が現在失われております。そのことによって多くの魚礁は埋まり、魚のすみかもなく、年々魚も減り、さらには先ほど答弁がありましたように漁港の機能までもが脅かされております。 ただ、今となっては自然の力での海砂の改善は困難であり、人の力を入れる必要があるというふうに考えております。 確かに、バブル期に海砂の需要は高まり、乱獲によって海の生態系のバランスを壊した苦い経験は確かにあります。重要なことは、自然界と相談しながらバランスよく海砂採取量の計画を立てることが大事になっているのだというふうに考えております。 こうした計画の下、海砂を採取することで海底を攪拌し、本来の海の持つ浄化機能を復活させ、同時に魚の餌となる虫類を放出し、魚を呼び込むことが重要だと私は考えております。 その対策こそが「痩せた海」の環境を改善し、「豊かな海」を再生し、持続可能な漁業が可能となり、なりわいが成立するものと思っております。 ついては、行政による費用対効果があまり見込まれない海砂しゅんせつ事業を、無駄に繰り返すことなく、財政圧縮のためにも、もう一度民間事業者による海砂採取ができないものかお尋ねしてみたいと思います。
◎
農林水産担当部長(
沖田通浩君) 今、議員から御紹介がありましたが、過去に乱獲によりまして、
瀬戸内海で大変大きな――海の環境が悪くなるということがございました。取り過ぎたことによって藻場とか干潟も消えていく、生態系の本当に消失ということが起こりまして、漁獲量もかなり減ってきたということがございました。 それよって今、沿岸海域の全ての県で禁止するという方向に至っております。これについては――商業的な土砂採取については今、沿岸の各県は行政によるしゅんせつ――今、議員からは商業的なことをもう一度復活してはどうかという御提言でございました。 ただ、今、全県においては行政によるしゅんせつということを主に行っているというのが現状であります。また、藻場とか干潟、浅瀬を造って藻場を増やそうということに、どちらかというとかじを切っているという状況でありまして、市のほうといたしましても民間の方の事業の採取ということになりますと、漁場が――これは共同漁業権とか、漁業権の問題もありまして、多くの漁場を皆さん持っていらっしゃいます。 そういったところをまた掘るということになると、これはいろんな権限の、許可の権限の流れにいくんですけれども、そういった調整がかなり必要になってくるし、多くの方の意見も聞きながら進めていくということも必要になってくるのではないかと思っております。 今、民間により進めていくというふうにちょっと私も言いにくいところがありますけれども、過去のそういった流れがあって今の形になっているので、今後、また今の改正法のように、そういったことでいろんな意見や研究結果が出たりすれば、またいろいろと流れが変わってくる可能性もあるだろうというふうには考えております。
◆9番(
重岡邦昭君) 40年前に起こした環境被害、当時は社会的な問題にもなりました。今、部長が答えられたような問題も根っこが深いです。 今、海底の砂あるいはヘドロが混じっている。この浄化機能、これを早く回復しないと、海水の問題を改善するだけでは、私は今回の環境保全のための特別措置にはつながっていないというふうに考えております。 先ほどの問題についてもう少しこれから議論を重ねながら、ぜひ民間により費用対効果の上がる、財政を圧迫しない、そうしたものを考えていって、豊かな海を取り戻すということを一緒に考えていこうではありませんか。よろしくお願いいたします。 それで、時間的にもちょっと限りがありますので……。もう一つお聞きしたいのが、今回の
改正瀬戸内海環境保全特別措置法では、
海洋プラスチック等の
漂流ごみの撤去と
発生抑制のため、国と自治体の連携強化を規定しております。ついては、次期、岩国市
水産業振興基本計画に重点項目として明記し、積極的に取り組む、このことを切にお願いしておきたいんですが、そのお考えがあるのか。そして、国と自治体との連携強化とは何を指しているのか、簡単にお答え願えたらと思うんですが。
◎
農林水産担当部長(
沖田通浩君) 今、議員がおっしゃられたように、現在の岩国市
水産業振興基本計画の中には海浜と海底の清掃については明記しておりますが、
漂流ごみにつきましては明記しておりません。 今回、こういった改正で連携を取るということも載っておりますので、次期の計画のときにはこれはちゃんと明記をして、意識を持って対応していきたいというふうに思っております。国との連携ということでございます。今、広域で広島県大竹市の皆さんと連携しております。 ちょっと国とのイメージは――改正されたばかりなんで、こうですっていうことはちょっと言いにくいんですけれども、いろいろな方法とか補助メニューとかいろんなものが出てくるのではないかというふうにも思っております。その辺もよく注視をして、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
◆9番(
重岡邦昭君) ぜひ部長も、今回部長になられたばかりで、ぜひそういうところを力を入れて、
瀬戸内海の海の環境を回復して「もうかる漁業」、これをぜひ努めていただきたい。 そして、今回の特措法にあるのは、漂流のごみのことを言っているんです。ただ、問題なのは海水の中にある
プラスチックの微粒、これを魚が食べて人間が食べる。こうした問題も背景にはある。これをどうするかはやはり国の問題なんですね。自治体間同士でやるような取組じゃない。そうした根本的な海水の改善、こうしたことはぜひこれから国と協議をしながら――難しい問題ではありますが、どのように
プラスチックとかそうした汚染から海水を回復するか――先ほどは海砂の回復を言いましたが、改めて海水の改善、こうしたことも併せて今後はひとつ対応をよろしくお願いいたします。 次に、
在日米軍再編に係る諸問題について再質問をいたします。 まず、市長は「国防は国の専管事項」だとし、
岩国米軍基地を
極東最大級の基地にした、その責任は国にあるんだといつも言っており、市民からの批判をかわし続けております。 そこで確認ですが、いつまで延々と
基地機能強化と防衛予算との引換え、つまり
見返り交渉でのまちづくりを続けていくのか、攻撃のリスクが増す中、市民が納得する説明が必要と思いますが、そこを具体的にお聞かせください。 あわせて、市民の安心・安全を守るための根本的な解決策は、目の前の防衛予算ではなく
基地縮小という選択肢もありますが、市長の見解を改めてもう一度お聞きしたいと思います。
◎
基地政策担当部長(山中法光君) まず、基地や防衛施設は、国が我が国を守る必要から設置しているものであります。基地をどうするかについて、今、議員が攻撃リスクといったことを言われましたけれども、こういった点を含めましてこれは防衛政策全体の中で国において議論されるべきものと考えております。 基地の縮小・整理、また返還に関しましては現在、渉外知事会におきましてその基地ごとに必要性、使用状況、基地に起因する危険性、基地の周辺の実情等により地元の要望を尊重の上、積極的にこれを促進するということを要望しております。 沖縄県や神奈川県などが、所在する
米軍基地やキャンプ地等の縮小・返還を求めていることは議員も御承知のとおりと思います。 岩国市におきましては、先ほど申し上げましたとおり、昭和町藤生線の道路整備や周辺のまちづくりへの活用のために、基地内の5ヘクタール用地の返還、または
共同使用について国へ要望協議を行っているところでございます。将来的に、インフラや公共施設等の整備の必要から、これ以外の用地の返還等も新たに要望することは考えられなくはありませんが、現状におきましては議員御質問の意としましての、
基地縮小の選択肢は市としては考えてはおりません。 また、防衛省の予算、補助金、交付金についてですが、これは市の国防政策への協力と基地に伴う負担に対する正当な
財政措置であると考えております。昨日の
一般質問におきましても、防衛省の補助金等を活用しまして、市民に役立つ事業を積極的に行うべきといった趣旨の御意見もございました。 市といたしましても、この防衛省の補助金というものは貴重な財源と考えておりまして、今後も住民福祉の向上に資するよう、有効に活用してまいりたいと考えております。
◆9番(
重岡邦昭君) 確かに、岩国市民の間で、今の福田市長の基地政策、あるいは防衛省による交付金によるまちづくりをたくさんの方が支援しておることは承知しております。反面、基地の機能強化をすることによって攻撃のリスクが高まることに対する心配の念を持っておられる市民もたくさんおります。 その中で、見返りという事業でどんどんどんどん
基地機能も御存じのように強化されております。こうしたことも非常に――福田市政を批判する人たちもたくさんおられるわけですから、やはりそうした方になぜ
基地機能強化による見返り事業を続けなければならないのか、これはしっかりとした説明が大事だと思います。私は以前、山口県13市のGDPの話をしました。この岩国市は、特別な枠組みの中で防衛予算を頂いております。にもかかわらず、山口県13市の中でGDPは上位から6番目なんですね。じゃあ、なぜ別枠の防衛予算をもらいながら上位から6番目の力しかないのか。こうしたことも今、岩国市民は大いに疑問に思っておられます。だからこそ、見返りのまちづくり、
基地機能強化を進めても攻撃のリスクへの不安が高まるだけではないかという人たちもたくさんおられます。 私は、今回の質問については、そういう人たちに対して、なぜ今そうした見返りの
基地機能強化を含めたまちづくりを進めるのか、まだまだ私は市長の説明が足りていないと考えております。これは、しっかりとこれから時間を――時間はあまりかけても困るんですが、とにかく今の福田市長のまちづくりを批判する、私もその1人ですが、それについてしっかりと説明を求めておきます。時間があれば、もう少しお話もしてみたいんですが、時間も限りがあるので、一応今、提言として言っておきます。 それと、私は今回初めて基地を縮小と言った以上、私も責任があります。私見を持って少し説明をしておきたいというふうに思います。 岩国でも沖縄でも、日本国内の米軍の軍事力強化は進んでおります。他国の攻撃の対象となるリスクは高まっていると感じておるところです。 その最中に、先ほど6年以内の
台湾有事が報道され、日本を巻き込む可能性に言及する市民もおられます。市民の心配する声が私のところに届いております。 御存じのとおり、私は空母
艦載機移駐に反対してきました。また、移駐後の
基地機能強化が基地周辺住民の生活環境を大きく悪化させたことに対し、今でも私は安心・
安全対策43項目要望の完全実施を強く求めている立場です。しかし、安心・
安全対策は遅々として進まず、市民の不安は解消せず、それどころか「基地との共存」をいいことに、米軍はさらに
基地機能強化を進めております。 こうした現実の下、市民が
台湾有事を現実的に捉え出したわけで、不安を訴え始めたわけですね。私は、空母
艦載機移駐を反対してきた私の立ち位置という責任から、そうした市民の安全・安心を確かなものにする根本的な解決策は、もう縮小しかないと、そういうふうに私自身結論づけました。 そうしたことで今後、私は基地がある以上、安心・
安全対策の43項目の完全実施はとことんやっていきますが、同時に、市民の多くの方々の
基地機能強化に伴う攻撃のリスク、これをとことん下げるためには縮小していく、こうした取組は、私自身、議会活動として取り組んでいきたい。そのように思っております。 今、簡単に述べましたが、私の考え方、縮小の意図はそういうことであって、それ以上でもそれ以下でもないということはお伝えしておきます。 それから、昭和町藤生線について再質問してみたいと思います。 有事の際、現在の国道の渋滞からして自衛隊約1,700人、日本人従業員約1,500人、米軍関係者約1万人が、緊急に基地に向かう、そのときの移動手段に問題が当然出てまいります。当然、
一般市民にも影響が出ます。市が事業主体で今、昭和町藤生線をやっておりますが、いつ完成するのか見通しが立たないのが現状です。国が引き継げば、何とか昭和町藤生線も早期に完成し、有事に備えることができるのではないかと思いますし、このことにより
一般市民が避難等への対処を考えることができ、安心のための構えもできるというふうには考えております。 しかし、先ほど道路法第5条により国道への昇格はできないとの答弁でした。有事の際の国防道路と位置づけても国道への昇格はできないのか、改めてお聞きしてみたいと思います。そして、先ほど第5条でできないと言われたんですが、私がちょっと気になっているのは、道路法第5条と
基地正門まで続いている国道189号、この短い道路がなぜ国道になっているのか、その関係について併せてお聞かせ願えたらと思います。
◎
建設部長(内坂武彦君) 有事の際の国防道路でも昇格できないのかということと、道路法第5条と国道189号がなぜ国道になっているか、その関係などについてですけれど、現在、国道というのは道路法に基づき指定されるものとなっております。 まず、現在の国道189号につきましては、昭和28年に当時の岩国飛行場から麻里布町の国道2号の立石交差点までの延長2.9キロメートルが国道として指定されております。このことは道路法5条の中で定めておられます国道の意義の1つに、「重要な飛行場と国道を連絡する道路」との要件がございます。これは、国道189号が国道として指定されました当時には、岩国飛行場は民間機が離発着する民間の国際空港として羽田空港と並んで、建設大臣が指定する重要な飛行場であったため、国道の意義に適合するものとして指定されたものというふうに私どもは考えております。 現在の国道189号につきましては、国道2号の立石交差点から国道189号の岩国空港入り口交差点までの2.5キロメートルの間を国道188号と重複しておりまして、またその交差点から
基地正門までの約360メートル区間は、現在、市が楠中津線整備事業を進めております事業区間の先線となる
都市計画道路楠中津線と重複しております。 この間につきましては、道路幅員22メートルから28メートル、JR山陽本線につきましては立体交差する
都市計画道路として、都市計画決定がなされているところです。 次に、議員から御質問がございました、国道として国道189号を藤生町まで南進することにつきましては、直轄国道を管理しております国土交通省に確認しております。国土交通省では、現在、既に岩国空港――岩国
基地正門ですけれど、そこが国道2号とつながっていることと、岩国空港と連絡する道路が全国的な幹線道路である1桁や2桁の国道であることが規定されているため、藤生町の国道188号ではその要件に該当しないと伺っております。そうしたことから、現在の道路法の規定では国道として国道189号を藤生町に南進することは大変難しいということで考えております。
◎審議監(村田光洋君) 別の観点からちょっとお答えさせていただきます。 先ほどの議員の御発言を聞いて、全く同感するところがございます。これは、平成21年に
米軍再編の
地域振興策として5種5項目の要望をしております。 具体的には、当時17項目の具体的要望をしております。その中の1つ、基地連絡道路として全く同じ発想で――路線はちょっと違うんですよ。路線は、先ほど言いました楠中津線を国土交通省の直轄事業として国道としてやってほしい。いわゆる岩国南バイパスの川下の交差点から国道188号の交差点まで、それから今話題になりました189号につなげて、基地のメインゲートまでを国道でやってほしいという交渉を始めました。 ところが、平成21年に自由民主党政権から民主党政権に変わって、コンクリートから人というキャッチコピーの下で事業仕分けも行われて、大変交渉は難航しました。このままではらちが明かないということで、交渉先を防衛省に代えまして、この交渉を始めました。ところが防衛省もこうした大規格の国道を防衛の補助でやるということは全国にも例がないということでこの交渉も非常に難航しました。結果として、特別の配慮で今、楠中津線、全幅員を補助対象にして実施されます。いろいろ岩国の事業では岩国スペシャルと言われておりますけれど、これも岩国スペシャルの一つです。 そういったことで今、楠中津線は防衛の補助でやっておりますけれど、今御提案の昭和町藤生線の交渉を当時担当した、関係した者として、これを国道に昇格するということは至難の業であるというふうに言わざるを得ないと考えています。
◆9番(
重岡邦昭君) 今日は、いろいろな新たな過去の話も出てきて、私的には大変参考になるし、興味深い話も多々ありました。私は、今回は岩国市民の有事の際の心構え、これを一番心配しているんです。市長は、市民のための市長であり、私どもは市民のための不安を解消する議会であると、議員であるというふうに思って、とにかく市民が一番不安になっているところをいかに解消するか、これを第一義に考えて、私は議員活動をやっております。 このたびの
台湾有事、突発的に出たときに非常に心配をしました。なかなか今、
一般市民の間でどうやったら自分の身が守れるのか、隣近所のじいちゃん、ばあちゃんを守れるのか、国のためにどうしたら何とかお役に立てるのか、こうしたことを多くの方が考えられ、私も考えました。したがって、今回のまちづくりの基本的な「基地との共存」と、基地を縮小するという大きな分岐点は今回生まれましたけれども、市民を守るという点については何ら私は変わりはない、そういうふうに思っております。 ついては、確かに民主党政権の話をされたときには、ちょっと私も二の句が出ない状況にもなったんですが――民主党を応援しましたから、二の句が出ない状況にもなったんですが、しかしながら民主党政権でそういう事態が生まれたのであれば、私もこういう立ち位置におる以上、応援した立場であるわけですから、それは私個人として議員としてこれは――国とのパイプも多少は残っておりますから、そこはしっかり頑張ってこの昭和町藤生線、国防道路として位置づけて、先ほど言った米軍関係者約1万人、そして自衛隊約1,700人、そして日本人従業員約1,500人、この方たちが緊急時にそこを使って基地に行く、そして有事に当たる、そして避難道路として
一般市民はそれを使って避難をしていく、そうしたことを根底的に考え、そしてそれを市長が岩国市民に発信する。そうすれば、少しでも岩国市民のそうした有事の際のリスクを緩和できるのではないか、安心できるのではないか、そういうことを思っております。 ついては、そうした市民優先の、国に目線を向けた対策ではなくて、そうしたことをしっかり考え、これから「基地との共存」を掲げた以上、市長は市長の責任を通していただきたい。そして、私は真反対の、真逆の
基地縮小で市民の安心・安全を守っていく、そういうことを改めて今日、宣言をして
一般質問を終わりたいというふうに思います。ありがとうございました。
○議長(
藤本泰也君) 以上で、9番
重岡邦昭君の
一般質問を終了いたします。 以上で、通告されました
一般質問は全て終了いたしました。これにて
一般質問を終了いたします。
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